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法話

法話(オンライン法話のテキスト版です)

令和7年 2月 法話
光源寺住職法話
長者の万灯より貧者の一灯というお話があります。
 今から2500年程前、インドのお釈迦様はお覚りをお開きになられてらから45年間、インド各地でそのみ教えを説いて回られていました。
 各町では、お釈迦様が来られることを心待ちにしていたそうです。
ある町の王様が、お釈迦様が近くまで来られていることを聞いて、町の人々にいいました。
「お釈迦様がこの町におつきになるのは夜になる。みんな美しいあかりを飾って、お釈迦様が通られる道を明るく照らしてお出迎えをしよう」
町中の人は、日が沈むと通りに美しい明かりを灯しました。
 さて、その町のはずれに一人の女性が住んでいました。自分もお釈迦様の為に明かりを灯したいと思いました。ところがその女性は明かりを灯すだけのお金がありませんでした。思い悩んだその女性は、自分の髪を切り落とし、その髪を売って明かりを買おうと思いました。
 買えたのはとても小さな明かりでした。その明かりを万灯の端にひっそりと供えました。
お釈迦様がその町に到着される直前、突然強い風が吹きました。きれいに灯っていた明かりは次々に消えてしましました。しかし、その女性の小さな明かりだけは消えずに灯っていたそうです。
お釈迦様は「美しい明かりをありがとう。この明かりは小さいかもしれないけど、世界で一番尊く美しい明かりです。」と言われたという話です。

 さて、お釈迦様はこの世の在り方を諸行無常と説いてくだいました。すべてのものは常に移り変わりいくという教えです。いつまでもこのままでと願っていても壊れてい世界、そこがこの娑婆の世界です。
親鸞聖人は9才で出家得度をされる時、「明日ありと 思う心の あだ桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは」と諸行無常のこの世の有様を歌われたと言われています。
 蓮如上人は白骨の御文章で「無常の風きたりぬれば、すなはちふたつのまなこたちまちに閉ぢ・・・」と言われています。
無常の風の中を歩んでいるこの私の人生、そんな私に「我にまかせよ 必ず救う」と誓われた阿弥陀如来の本願こそ、どのような風が吹いても決して消えることがない南無阿弥陀仏の六字のお念仏であります。
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏 




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