法話

法話(オンライン法話のテキスト版です)

令和7年 10月 法話
10月になりました。今年の中秋の名月は10月6日とのこと。秋の夜長に月を眺めるのもいいかもしれません。
 「月影のいたらぬ里はなけれども眺むる人の心にぞすむ」これは法然上人が詠まれたた歌です。月の光が届かない所がないように、阿弥陀様のお慈悲はすべての人の元に届いている。そのお慈悲を南無阿弥陀仏といただいていくことが大切であるとお示しくださっています。

さて、「うさぎとかめ」というお話があります。
日本には、「もしもし亀よ♪」という童謡もあるほど日本では子どものころに親しむことが多い話です。
あるときウサギとカメが競争することになりました。同時にスタートしましたが、カメはゆっくりとしか歩むことができません。ウサギははるか後方の亀を見て、途中で昼寝をしてしまいます。ゆっくりでも一歩ずつ確実に歩みを進めるカメはついにウサギを追い越してしまいます。ウサギがようやく目を覚ましたとき、カメはゴール直前。ついにカメがウサギに勝ってしまうというお話です。「油断大敵」・「千里の道も一歩から」という教訓を伝えるお話でもあります。
 ウサギとカメというこのお話。日本の昔話かと思っていましたが、実は、その原型はイソップ物語で、世界各地に伝わっているお話なんだそうです。
しかも、地域によってその内容が異なるそうです。
西アジアでは、ウサギとカメが競争しますが、カメは作戦を立てるそうです。その作戦とは替え玉作戦。見た目がよく似たカメにゴール付近で待機してもらって、スキを見て入れ替わりゴールしてしまうという内容になっているそうです。これは、機転を利かせて勝つことが大切ということを教えるお話だそうです。
そして、インドでは、競争の途中でウサギが寝てしまいます。そこに追いついたカメは考えます。「ウサギは寝ているのだろうか?もしかしたら体調に異変をきたし苦しんでいるのかもしれない。ウサギを助けなといけない」とウサギを救助という内容になっているそうです。

私自身のこれまでの歩みを振り返ってみたときに、日本の話のカメのように地道にコツコツとやるべきことをやってきたようにも思えます。しかし、ここぞというときは、西アジアのカメのようにルールを自分の都合にねじ曲げて結果を求めることもあります。
運動会などで、我が子の姿をスマホで撮影するとき、とにかくいいポジションからいい画像を映そうと前ばかり向いていると回りの事が見えなくなります。その反面自分の前にスマホで撮影している人を見ると「そのスマホのせいで前が見えにくい」と一人ブツブツ文句をいっています。
そんな私に、月の光のようにやさしく照らしてくださるのがお慈悲の光です。この私をほってはおけないと働いてくださるお慈悲の心を、お念仏をいただきながら秋の夜長で味わっていきたいものです。
合掌
 


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