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法話

法話(オンライン法話のテキスト版です)

令和4年 10月 法話
法話1
光源寺には、珍しい仏像が安置されています。
この仏像は、ネパールで作られたものです。
ですから、お顔立ちも日本の仏像と異なるし、なにより首から布がかけれています。

「ゴータマ・ブッダ国際平和賞」というのがあるのをご存じでしょうか?
ネパール政府により、2002年にお釈迦さまにちなんで創設された国際平和賞で、平和・非暴力、人道的取組、世界人類の連帯等において顕著な功績を残した人物・団体が顕彰されます。
 2011年、お釈迦さまご誕生の地・ルンビニーで第一回授賞式が行われ、長崎市長と広島市長が受賞することになりました。
そのとき式典でいただいた仏像を、縁あって、光源寺でご安置させていただいています。
でも、最初は、首から布はかかっていませんでした。
 
 光源寺でご安置するようになって、しばらくたったあるとき、1人のネパールの方がこの話を聞いてこの仏像に参拝に来られました。その時、仏像の首に布をかけていかれたのです。

 なぜ仏像に布をかけたのか?はじめは全く理解できませんでした。日本ではお華や果物等を仏前に供えることはありますが、仏像そのものに布をかけるということはありません。
 
 しかし、よくよく考えてみると、「布を施す」と書いて「布施」といいます。
お釈迦様ご在世の頃より、仏道修行者はキレイな新品の布ではなく、捨てられたりや汚れた布を身にまとっていました。また人々はそのための布を佛道修行者に施していたそうです。その布を縫い合わせたものを袈裟といいます。 
布は全身を包み込み、ほどよい温もりを届けてくれます。
「布を施す」これが布施の原点です。
つまり、ネパールの参拝者の方は文字通り「布施」をされていたのでした。

阿弥陀如来様は、この私に「われにまかせよ かならずすくう」と呼びかけ続けてくださっています。それが「南無阿弥陀仏」のお念仏です。届いたお念仏は私の身を包み込んでくれます。そのままを「ありがとうございます」といただいて、如来様の大慈大悲のぬくもりにつつまれた日々を歩ませていただきましょう。
                         南無阿弥陀仏



法話2
南無阿弥陀仏  京都の本願寺で10日間の研修会のおり、参加者の中にはるばるお釈迦さま誕生の地、ネパールから一人の青年が参加されていました。  ネパールへは何度か仏跡参拝したこともあり、彼とお話してみたいなーと念じていました。  ところが10日間の研修中、2日間同じグループになりました。 彼の名前はソナムさん、30歳。   休み時間、「どうして浄土真宗のみ教えを学びたいと思われたのですか?」と尋ねてみました。  すると彼は、「自分はチベット仏教の僧侶です。 100人か200人にひとりしか出来ない厳しい修行を終え、チベット仏教の最高のお坊さんになり、仏教の学校の校長先生をしていました。   厳しい修行を終え、自分は偉いお坊さんとなり、悟った積りでした。  ところが2~3日すると煩悩が次から次と湧き起こり、これはどうしたことかと悩み続けていました。  そこでお釈迦さまがお悟りをひらかれた、ブダガヤに行き、お釈迦さまと同じように瞑想をしていました。   ある日、ブダガヤで車いすの重度の身体障害者と出会い、その人に仏教を教えて救ってあげよう、と思って話しかけました。   するとその人は英語がとても上手で、仏教のことをよく知っていて反対に自分が教えられ、それからは、その人のホテルの部屋に毎日訪問して二人で仏教の話をしました。 その人の話はスーッと自分の胸に響きました。  
その人の名前は“向坊弘道さん” 今は、私の先生です。 修行しなくても良い、と言う浄土真宗の教えをたくさん聞き、 “こちらから願う信心”と “いただく信心” の違いがわかり、嬉しくなり、もっと、もっと勉強したいと思うようになり、京都にある浄土真宗の学校、中央仏教学院国際センターに入学して1年が過ぎました。   それまで日本がどこにあるのかも知りませんでした。  自分はネパールに帰り、同じチベット仏教のお坊さんで、悟りを得られずに悩んでいる人がたくさんいるので、浄土真宗のみ教えを伝えてあげたい。 ネパールには浄土真宗はありません。  親鸞さまの教えは優しくて、素晴らしい。  こんなに親切に教えて下さる浄土真宗に出遇って本当に嬉しい。 いま、阿弥陀さまの世界にいるから幸せです」 と一生懸命話して下さいました。   ソナムさんが出会った向坊弘道さんは、北九州市の方で、東京大学2年生の時交通事故に遭い、重度の四肢体幹麻痺というハンディキャップを負って、手足や身体全体が不自由な車椅子生活でした。  死にたいと思う7年間を経て、浄土真宗のみ教えに出遇って救われ、お礼のための仏跡参拝に来ていたのです。   ソナムさんは、「阿弥陀さまが、私を仏にしてくださるはたらきを聞き開き、この身を任せることが凡夫である私の唯一の道です。 仏願他力は確実です!」 と、言い切られました。   ソナムさんと向坊さんとの出遇いは、親鸞聖人が20年間、比叡山で悟りを得られず悩んでいた時、法然聖人と出遇った時のように思えました。   ソナム師は現在、ネパールカ・トマンズ本願寺の所長をされ、浄土真宗のみ教えを世界中の方々に伝え、また福祉活動でも活躍していらっしゃいます。   「たまたま行信を獲ば、遠く宿縁を慶べ」 と  南無阿弥陀仏



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