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法話

法話(オンライン法話のテキスト版です)

令和4年 12月 法話
法話1
12月になりました。
今年も残すところもあとわずか。
この一年で、できたこと。できなかったこと。何かと反省させられます。

12月31日は除夜の鐘を鳴らします。
 私には108の煩悩があると言われます。
その中で、三毒の煩悩と言われるのが「貪欲」「瞋恚」「愚痴」と呼ばれる三つの煩悩です。
欲しい物をもっともっと求める欲「貪欲」
欲しいものが手に入らないと苛立つ心「瞋恚」
苛立つ心では視野と心がますます狭くなる「愚痴」
私にはこの三つの煩悩がべったりと張り付いているそうです。

「私」という文字から「貪欲」の一線・「瞋恚」の一線・「愚痴」の一線を取ってしまうと、「仏」という文字になるから不思議なものです。
私が私である以上、この三毒の煩悩からは離れることができないということなのかもしれません。


ある方から一通の手紙をいただきました。
 難病にかかり、今、私は病院のベットから動くこともできません。その私は今度古稀を迎えます。8年前に入籍した妻が亡くなり、私はそのときもベットから起き上がることができませんでした。何もしてあげることができませんでした。私は、亡き妻のために仏事を大切にしています。でも、ベットから起き上がることもできない私は、「お浄土」へはいけませんね。また妻にあいたいです。


このお手紙に次のような返信をさせていただきました。

 お手紙ありがとうございました。
奥様は、仏様になられて、いつも見ていてくださり、聞いていてくださり、知っていてくださりますよ。
 私達の住む娑婆世界では、どれだけのことを成しても、これで十分、これで満足ということが叶わない世界です。そんな世界に住み、そんな世界で悩む私を阿弥陀さまは「我にまかせよ かならずすくう」とそのままで救われる道をお示しくださいました。
 私が今できることをさせていただく、そのままで報土へ参らせていただく、それがお念仏のみ教えです。
 私を報土へ連れて行くのは阿弥陀さまのお仕事です。
 その阿弥陀さまに「おまかせします」と今の人生を歩むのが私の仕事です。
よろこぶまま、かなしむまま、たのしむまま、わびるまま
 そのままのお救いでともにお浄土へ参りましょう。




 

法話2
 今月は、この「式章」について話をさせていただきます。

 「輪袈裟」に似ていますが、「輪袈裟」は僧侶が着用するもので、「式章」は門徒の方がお参りするときに着用するものです。
 「式章」を掛け、「お念珠」を持つことが、浄土真宗本願寺派の正式な服装と定められています。
 


 「式章」は、昔の肩衣の代わりにつくられたもので、仏前にお参りするときの身だしなみとして用います。
 「肩衣」とは、肩にかける衣の意味で、肩から前に細い布が下がり、後ろは肩から背中全体を被うような形に作られたものです。真宗の門徒が仏前に出るとき、最高の敬意をあらわすために普通の衣服の上に着用する伝統的な礼服で、現在でもお寺での報恩講や各種法要の際に用いられている所もあるようです。
 「式章」は、この「肩衣」に代わるものとして昭和7年(1932年)に制定されたもので、僧侶が用いる「輪袈裟」の半分に紐を付けたような形になっています。ただし、先にも言いましたように形は似ていても「輪袈裟」は正式に得度した僧侶が着用するものです。
 「式章」には、一般門徒が用いる門徒式章・仏教婦人会の会員が用いる仏教婦人会式章・寺族が用いる寺族式章などがあり、法要・儀式・その他仏事に際して着用します。

 ただし、「肩衣」と「式章」を同時に着用することはしません。
 また、「式章」はタスキかけにせず、首から下げる形で、首後ろ側に下がり藤がある場合は上下逆さにならないように身につけてください。



 結婚式や披露宴の案内を受け出席するのに、普段着で行かれる方はいないと思います。相手に敬意をあらわす意味からも、その場にふさわしい服装で出席されると思います。
同じように、「式章」を用いるということは阿弥陀さまを敬う気持ちをあらわすためです。
 「式章」がお守りや魔除けの道具ではないことは言うまでもありません。

 「式章」をおもとめになられるには、法衣店等で扱っていますが、お寺に相談されるのもいいと思います。
 また、お経本やお念珠などと同じように大切に扱っていただきたいものです。



 昔は、「式章をつけて礼拝しなさい。手にお念珠をかけてお念仏申しなさい。」と言われていたとのことです。
 お参りする際は、「式章」を身に付け、「お念珠」を手に合掌することが、阿弥陀さまを敬う、最もふさわしい姿となります。ですので、法要や仏事には忘れずに着用していただければと思います。
 先人の姿を受け継ぎ、後に伝えていくべき姿として、「式章」を付け、「お念珠」を手にし、お念仏申させていただきたいものです。
浄土真宗本願寺派
巍々山 光源寺

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